あふれでる あふれだす

 

前々から思っていたことなのですが、キーボードで文字を打つという行為は私にとって心の整理を付けて自分の感情を落ち着け、整理し再確認する効果があるようです。

 

たぶん、ひとりでかかえきれない感情を、文章にして吐き出すという作業を行うことで、自分の中のなにかを保とうとしているのだと思う。

 

 

久々にブログを書いています。

唐突に。

 

三浦春馬さん。

 

芸能人にあまり興味を持ってこなかった私は、正直、名前だけは存じ上げているものの、よく知らない「有名俳優さん」というのが印象でした。

 

それでも、そうであっても、こんなにも心揺さぶられているのはなぜか。

 

原因は実にハッキリしていて、今年12月に日英共作の新作ミュージカル『イリュージョニスト』で推しの愛希れいかさん(ちゃぴちゃん)と共演予定があり、近頃のこの状況(COVID-19)で観に行けるか、そもそもチケットが手に入るか等々は置いておいて、私はこのポスターや豪華キャストが発表されたことで、心ときめき胸躍らせとても楽しみにしていたのである。

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http://illusionist-musical.jp/

 

 それと、ある歌番組で、城田優さんが泣きながら歌っていたのを目にしたことも大きくあると思っている。

 

城田優さんといえば、去年赤坂ACTシアターで観劇したミュージカル「ファントム」でファントム役としての主演と演出家としての舞台演出の両方を手掛けるというとんでもないことをしていた人。

ファントム、クリスティーヌ、シャンドン伯爵役はWキャストで、私は加藤和樹さん(ファントム)と愛希れいかさん(クリスティーヌ)の回を観劇したのだけれど、見終わった後にもしばらく現実世界にうまく戻れず、ちょっと違うところにいるような、それはもう、本当に素晴らしい舞台でした。

 

美しい舞台と演出、演者たちの表現力に泣きました。

 

 

自分とは別の誰かになって、それを表現して誰かに伝えるということは、すごい。

 

「明るく華々しい人生を送っているに違いない。」

 

そんなふうに見えていても、こうして、とつぜん、いなくなってしまうことがあるなんて。

 

全然よく知りもしない、私でもこんなに動揺しているのに、

家族や、友人や、関係者や、ファンの人たちは。

 

 

とてもひとりでは受け止めきれないニュースです。

 

月組エリザベート千秋楽ライブビューイング

 

近頃,一週間経つのが早すぎる。。

 

先週,エリザベート千秋楽ライブビューイングを見てきました。

 

開演1530閉演1930(含む休憩30分)の4時間の長丁場。

月組のみなさん・オケ含めスタッフの皆さんは11時公演もあって本当にお疲れ様です…(何者だよ)。最高でした。

 

遠くにいながらも同じ時間を共有できたことがとても幸せで,好きな作家や漫画や映画や作品に出合った時にも思うように,リアルタイムで感動を味わえているというこの奇跡に,この時代に生まれてよかったと思えました。

 

とくに演劇は,アナログでとても効率の悪い表現媒体だと思うのですが(映像作品は別にしても,毎公演大勢の人が一つの舞台を届けるために動いています。例えば本だったら,印刷されてしまえばいつでも読み返せるけれど,同じ舞台をもう一度見たいと思うと人を集めるところから始めなければならないし,そして2度と同じ舞台はない。同じ演目であっても演者によって全然違う。これは演奏会等舞台芸術全般に当てはまるとおもう。※本は本で大好きです。)だからこその魅力があって,そういうものに出会えたことがうれしく,明日からも頑張ろうという気持ちを貰えました。あとめちゃめちゃ泣いた(笑)

 

エリザベートの作品自体を好きになったのは2014花組明日海りおさん主演のものをブルーレイでみた(母が先にファンになった)のがきっかけ。

 

ハプスブルク家最後の王妃エリザベートの自由を求めた波乱万丈な生涯と「死=黄泉の帝王トート」に惹かれてしまいそうになるほどの美しさ,「耽美」という日本語はこういうことを表現するためにあるのだと思いました(それまで耽美的だ,などという日本語があてはまるものに出会ったことがなかった)。

 

今回の月組エリザベートは「芝居の月組」とよく言われるように,セリフもメロディーに乗せて歌い上げるようなゴリゴリのミュージカルである本演目でもお芝居を見ている,という感覚が強かった。

 

ちゃぴシシィは少女時代がかわいくてかわいくて。

同期の輝月ゆうま(まゆぽん)と父娘役でも違和感がないのがすごい。

「パパみたいになりたい」のナンバーで泣いたのは初めてです。

 

さよならショーも,ロミオとジュリエットからグランドホテルのデュエットダンスまで盛りだくさんでうれしかった。

 

何よりも,初めて大きな役を演じた「スカーレットピンパーネル」の劇中歌「ひとかけらの勇気」の歌詞が,自分への応援歌だったと語ってくれた時にはもう限界。

 

その反面,一期上のたまさまが「よく頑張ったね。お疲れ様でした。」と伝えた気持ちもものすごくわかって,私も本当に長い間お疲れ様でした,良い舞台をありがとう。卒業おめでとう。という気持ちになりました。

 

たくさんの夢と希望と感動をありがとう。

 

またどこかで,女優 愛希れいかさんに会えるといいなあ。

 

Wickedでグリンダ役とかやらないかなあ~(笑)

 

永遠の憧れの女の子 ー月組トップ娘役愛希れいかさん退団に捧ぐー その③

 

 

p1078.hatenablog.com

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そんなわけで,ちゃぴちゃんが大好きになった私。

スカイステージの番組に出ればチェックし,「歌劇」や「宝塚GRAPH」等の雑誌に記事が載れば読み漁り。

 

彼女がトップ娘役に就任してから6年。この数字は,娘役としては長期である。

 

毎年宝塚音楽学校から40人程度が歌劇団に入団し,日々舞台に立ち,切磋琢磨していく中でもトップ(主演)に立てるのは娘役であってもほんの一握りの選ばれた人だけ。

 

彼女が研4(研究科4年。入団4年目の意)でトップ娘役に就任した当初のことは残念ながら知らないのだけれど,私が宝塚を知った時,彼女が現役でいてくれてよかった。

100年以上続く宝塚歌劇。私なんてファン歴としてはとてもとても短くて,まだまだ知らないちゃぴちゃんがいるのだろうけど,最後を見送れることはうれしくそしてやっぱりさみしい。

 

最後の演目が「エリザベート」なのも,エリザベートで宝塚を知って好きになった私にとってとてもずんとくる。

残念ながら劇場で観劇することはかなわなかったけれど,映画館のライブビューイングで最後の姿を見送りたいと思います。

 

まだ実感が全然ない。明日私はどうなってしまうんだろう?(笑)

 

 

永遠の憧れの女の子 ー月組トップ娘役愛希れいかさん退団に捧ぐー その②

 

 

p1078.hatenablog.com

 

そんなわけで,ちゃぴちゃんとの出会いは特段印象的ではありませんでした。

 

ところが,次に見た珠城りょうさんとの(愛称:たまきち・たまさま)トップコンビ初作品である『グランドホテル』とショー『カルーセル輪舞曲』をお正月に見た時(これも当日券でした)なんてすごい娘役さんなんだ!!とド肝を抜かれ,そこからちゃぴちゃんのことが一気に好きになったのです。

 

1928年のベルリンを舞台に、高級ホテルを訪れた人々が一日半のうちに繰り広げる様々な人生模様を描いたミュージカル『グランドホテル』。1989年トミー・チューン氏演出・振付によりブロードウェイで幕を開けたこの作品は、圧倒的な評価を得てトニー賞を5部門で受賞、その後ロンドンやベルリンでも上演されました。宝塚歌劇では1993年、涼風真世を中心とした月組がトミー・チューン氏を演出・振付に迎え、宝塚バージョンとして上演し、大好評を博しました。
長年の功績を称えられ、2015年の第69回トニー賞において特別功労賞を受賞したトミー・チューン氏を特別監修に迎え、2017年の幕開け、月組トップスター・珠城りょうの宝塚大劇場お披露目公演として、『グランドホテル』が宝塚歌劇の舞台に蘇ります。(宝塚歌劇公式HPより引用)

 

 

特にお芝居の『グランドホテル』。

ちゃぴが演じたエリザヴェッタ・グルーシンスカヤ役は,ロシア出身の伝説的なバレリーナで「5度目」の引退公演をベルリンで行うためにグランドホテルを訪れた。そこで主演の珠城りょう演じるフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵と情熱的な恋に落ちる。

男爵と一夜を過ごした後,生きる希望と踊りたいという気持ちを取り戻し歌う「Bonjour Amour」。

 

彼女のお芝居は,まるで役が乗り移ったよう。

踊りが得意でその素晴らしさはもちろんのこと,表情や視線の使い方,所作や声色までがその役になっており細やかで繊細かつダイナミックな心情が客席まで伝わってくる。

 

すごい。すごいものを見てしまった。そう思った。

 

 

それからというもの,彼女の出演している過去作品をスカイステージ(宝塚専門CSチャンネル)で見て,また驚いた。

 

グルーシンスカヤのような妙齢の女性から,スカーレットピンパーネルのルイ・シャルル皇太子のような少年役,PUCKのハーミアのような少女の役まで,役の幅が広く,演じ分けが素晴らしいのはもちろん,すべての役が「役そのもの」で,感情が揺さぶられるようなお芝居をするのだ。

 

グランドホテルの次の公演は,『All for One』という三銃士をベースにした小池修一郎氏による新作一本物のコメディで,ちゃぴは男役と娘役を演じ分けた。あのグルーシンスカヤを演じた人とは同一人物とは思えないピュアで可憐でお人形のように可愛らしいルイーズ。すごい。

 

この後の全国ツアー公演は残念ながら見れなかったのだが,私はますますちゃぴちゃんが好きになっていた。

 

未婚の女性だけで構成される宝塚歌劇という非常に特殊な世界で,現実の男よりもかっこいいと言われる男役さんがたくさんいるなか,まさか,娘役さんが好きになるなんて。

 

清く正しく美しいタカラジェンヌの,日々の厳しい鍛錬や努力,お稽古に向かう姿勢,実は泣き虫な彼女の「努力だけはいくらでもできますから」という言葉や,相手役さんに対する心遣い。いつしか好きが憧れに変わっていた。

 

もともとあまり芸能人やアイドルには興味がなかった私。そんな私が毎年年末に各組の選抜メンバーが出演する『タカラヅカスペシャル』というコンサート形式のショーを見て,「推しが尊くて泣く」とはこのことか…という人生初めての経験をしたり。

 

その次に見たのは,宝塚では珍しい現代を舞台にしたお芝居『カンパニー』と上田久美子先生による初のショー作品『BADDY 』。BADDYの冒頭でちゃぴ演じるグッディが登場した瞬間,私は心の中で「5億点!!!」と叫んでいた。もはやちゃぴが登場するだけで感動できてしまう。ファンとはそういうものなのだ。

 

そんなちゃぴちゃんが,明日,宝塚を卒業する。

 

もしかしたら,卒業後も舞台でのお仕事は続けてくれるかもしれないけれど,タカラジェンヌとしての 愛希れいか は明日が最後なのだ。(つづく)

永遠の憧れの女の子 ー月組トップ娘役愛希れいかさん退団に捧ぐー

 

明日,私の憧れの女の子 愛希れいかさん(愛称:ちゃぴ)が,東京宝塚劇場月組公演「エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-」千秋楽で宝塚歌劇団を卒業する。

 

大好きなちゃぴちゃんの退団を目前にしてゼミの準備もそっちのけに,これは自分の思いを書き残しておかなければならぬと思い立ち,久しぶりに文章を書いています。

 

 

さて,いったいどこから話し始めたらいいのだろう。

 

 

ちゃぴちゃんと初めて出会ったのは,2016年の夏休み。

 

そのころは宝塚という新しい世界を知ったばかりで,演目とか組(宝塚には花・月・雪・星・宙組の5組があり,主に本拠地である兵庫県宝塚大劇場と東京日比谷の東京宝塚劇場を各組で順番に公演している。)には特にこだわりがなく,とりあえず帰省した時に東京でやっていた月組公演を当日券で見に行こう!と見に行ったのがはじまりでした。

そのときの演目は「NOBUNAGA -下天の夢ー」という織田信長を主人公にした日本物のようで現代的なロックテイストを交えた宝塚オリジナルの新作お芝居と,「FOREVER LOVE!!」というこれまた新作オリジナルショーの二本立て。

 

宝塚ではこのお芝居+ショーの2本立てか,お芝居のみの一本物というのがだいたいのお決まりのパターン。お芝居はその時のトップさん(主演男役)に合わせた新作オリジナルもあれば,エリザベートのような海外ミュージカルを輸入して宝塚版にした演目,過去の演目の再演(例えばベルサイユのばら 等)がある。

この公演は当時の月組トップ 龍真咲さんの退団公演でした。

お芝居の話の流れに腑に落ちない点があったり,正直内容自体には「?」が残ったものの,龍真咲さんのキラキラオーラに魅せられて気が付けば訳も分からず泣いていたというほんとうに不思議な公演だったのを覚えています。

当日券での観劇だったので、2階席の最後列だったかその後ろの立ち見だったか忘れましたが,とにかく舞台から離れたところで見ていました。それにもかかわらず,龍さんが出てくるたびにキラキラとまぶしく,決して照明の力だけではない,これが噂に聞きし退団を発表したタカラジェンヌが出す特有のオーラか…と思ったものです。

 

その時月組で注目していたのは朝美絢さん(愛称:あーさ)。ちゃぴと同じ95期の男役で,とにかく顔が良くて(いわゆるジャニーズ系というやつ?笑 ジャニーズは好きになったことは一度もないのですが…)目を引くスターオーラのあるひと。

 

ちゃぴちゃんが出ている舞台を見たのはこの時が初めてだったのですが,最初の印象は意外とあっさりとしたものでした。

かわいい娘役さんだな,というだけで今ほど応援したいと思っていたわけではなかったのです。が,この次に見たお芝居「グランドホテル」で,一気に愛希さんの魅力に落ちてしまったのです。(つづく)